毎週土曜日の恒例のブックレビュー
『労働法で人事に新風を』5話をまとめます。
先週見逃しの方はこちら👇
【ストーリの概要】
「社員はみな家族」の豊夢商事(日本酒の取次、販売)の人事制度の改革物語です。
【主な登場人物】
・2代目社長:中上社長
・大手自動車会社、人事畑出身の専務:田辺専務
・社労士資格のある新入社員(主役):戸川さん
【目次】
第1話:正社員って誰?
第2話:派遣社員とは、よその社員?
第3話:書面で同意をしてもダメなの?
第4話:社員のメンタルヘルスに配慮せよ!
第5話:ワークライフバランスって何?
第6話:半数以上が管理職で大丈夫?
第7話:できない社員こそ解雇できない!
第8話:ITを味方に!
第9話:人材の獲得は難しい!
第10話:ハラスメントに御用心!
【シャロ勉目線での解説】
ネタバレになるので、詳細には書けませんが、勉強になる点を列挙していきます。
本日は労基で出題される判例の事例を2つ掲載してます。
本日は第5話についてです。
第5話:ワークライフバランスって何?
いやま常識となったワークライフバランスですが、物語当初は、まだ浸透してなかったようです。
田辺専務が、「人事に関する単語には、英語が使われることが多いのだろう・・」との会話から始まります。
「例えば・・パートタイムとか?」って言い、まわりがスッコケそうになります。
専務曰く「短時間労働と正しい日本語があるのだから、それを使うべき」と主張します。
「日本の法律では、短時間労働者と言葉があるのだから」と補足
「日本の法律は下手に英語を使わないところがいいな」と変なところを感心されてます。
「インセンティブ、モチベーションとかも困る言葉」だと・・・
新人の美智子に「インセンティブ→誘因、モチベーション→動機づけと訳せるけど、言葉の意味が難しい」と反論されます。
専務:「ワーク」「ライフ」「バランス」それぞれの別々なら意味はわかるが、つなげると意味がわからなくなると…
社労士美智子:労基法では、「仕事と生活の調和」となってます。
専務は、会社の組織運営でなく、この調和させる生活の部分がないと、自分のことで悩んでました(笑)
「仕事以外の趣味はないし、家では粗大ごみ扱い・・」と愚痴を言うしまつ(情けない)
こんな冒頭で始まりますが、
事件は、年俸制社員が、社長に直訴メールにて発生します。
「課の先輩社員が、皆、残業せずに自分だけ残業しているのが納得いかない」との訴えでした。
趣味のマラソン、介護、夜のバイト?、奥さんが怖い?等の理由で、皆、早々に帰宅しているようです。
これは『労務管理あるある』ですね。
何も仕事しない、できない社員が先にかえって、まわりにしわ寄せがでる組織は、まわりでも多いですね。
ここでピックアップ労務管理話題は、
介護による残業拒否と、夜のバイトの件
【質問】
介護による残業拒否はできますか?
【答え】
育児介護法(16条の8)では、育児では所定時間外労働の免除はできるが、介護ではできないことになっています。
夜のバイトが、風俗ではないかとの疑いがかけれます
(実際は・・・本書をチェックしてください)
副業の許可制が可能かついての話題になります。
【判例】
①小川建設事件
裁判例で建設業の女性社員が、勤務時間後に会社に無断でキャバレーで会計係をしたことにより、解雇された事件
→会社との信頼関係を崩壊させ、長時間の勤務であったため、解雇は有効と判断されました。
就業時間以外は、本来本人の自由なので、就業規則で全面禁止は、特別な場合を除き合理性を欠くとしました
翌日の勤務に影響する、会社の対外的な信用に影響する場合もあるので、副業を許可制にすることは不当とはいいがたいとの考えもあります。
不公平な残業管理問題は、前振りでした、直訴した社員は、1か月の長期有給休暇を断られそうになったので、
社長に直訴しにきたのが本音でした。
【質問】
年休は会社の許可が必要か
→これは当然不要ですね。社員の当然の権利です。
時季指定と時季変更の問題
◆年休は法律上は、労働者が時季指定権を行使してとる、会社側には時季変更権があります。
◆事業の正常な運営を妨げる場合には、労働者の時季指定を拒否できます
②長期連続休暇の判例(時事通信社事件)
会社との間で事前に調整をする、それをしていない場合は、時季変更権の行使につていて、会社の裁量をある程度認めざるおえない
この事件では、休暇24日の半分を時季変更権の行使が認められました
<<ワークライフバランスの定着のため必要な事>>
①会社の方針を決めて、共有する
②職場内の人間関係がスムーズにいくように環境整備をする
☆今回の教訓
公平性の問題
ワークライフバランスをつきつめると、個人のニーズをどこまで会社が尊重するかという問題にあたります。
個人のエゴを押し付けあうと、組織が瓦解する危険もあります。
ライフの尊重というとき、組織と個人との望ましバランスの取り方を模索し、会社としての方針を明確にしておくことが大切です。
☆御礼☆
最後までお読み頂きありがとうございます。
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