人事・総務の改革に向けての障壁を乗り越えるストーリですが、社労士試験勉強に非常に役に立つ良書なので、
紹介させて頂いきます。
そのために休憩をかねて勉強にもなる
『労働法で人事に新風を』の読書のススメです。
本日は2話をまとめます。
☆1話は下記を参照 goukakuget.hatenadiary.com
なぜシャロ勉(社労士試験)に有効なのか?
・読んでるだけで、覚えてた知識、過去問が脳裏に蘇ります(シナリオが頻出論点と一致している)
・テキストの机上だけの知識が、どのように現場で使われるかイメージと直結する事により記憶に浸透する
・テキスト、過去問で登場する『判例』『条文』『通達』がストーリの中で自然な形で流用されてます
→脚注の資料が詳細 判例名等も掲載で復習にも最適
・主人公が法律を素人の上司や社員に説明している部分が、シャロ勉目線でも理解しやすい
→人に伝える事は、一番覚えることになります(それを主人公が代わりにしてくれてます)
【秘密』衝撃のラストあり!(ネタバレになるので、記載しません)
【ストーリの概要】
「社員はみな家族」の豊夢商事(日本酒の取次、販売)の人事制度の改革物語です。
【主な登場人物】
・2代目社長:中上社長
・大手自動車会社、人事畑出身の専務:田辺専務
・社労士資格のある新入社員(主役):戸川さん
【目次】
第1話:正社員って誰?
第2話:派遣社員とは、よその社員?
第3話:書面で同意をしてもダメなの?
第4話:社員のメンタルヘルスに配慮せよ!
第5話:ワークライフバランスって何?
第6話:半数以上が管理職で大丈夫?
第7話:できない社員こそ解雇できない!
第8話:ITを味方に!
第9話:人材の獲得は難しい!
第10話:ハラスメントに御用心!
※ 詳細や評価コメントは、下記の表紙をクリックしてAmazonのレビューを参照ください
第2話:派遣社員とは、よその社員?
労働者派遣法の復習に非常に良いストーリーです。
物語は、営業課の臨時社員が突然、夫の転勤を理由に辞めてしまうところから始まります。
さらに事務職の人手が足らないとの連絡もはいります。
そこで、緊急措置として「派遣社員」を雇う話となります。
社長と専務は、「社員はみな家族」その輪に入いるのだから、きっちり面接をしないとと言い出します。
さて問題です
【問1】
派遣社員の採用に面接はしてOKでしょうか?
【問2】
派遣社員の雇い主に豊夢商事はなれますか?
社労士試験の労一の労働者派遣法を勉強していたら、わかりますね。
【答え1】
事前の面接はできません
(紹介予定派遣を除く)
【答え2】
派遣会社と派遣スタッフが有機労働契約を結びます。
ここまでは問題ないかと思います。
では、なぜ事前に派遣社員の面接をしてはダメなのでしょうか?
講師になったつもりで、説明できれば、試験対策としては万全です。
この考え方について、労働者派遣法の成り立ちから、本では詳細に説明されています。
『労働者派遣法26条の6項』
労働者派遣を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際して、当該労働者派遣契約に基づく、
労働者派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為そしないよう努めなければならない(努力義務)
これにより、事前の面接や履歴書送付は、できないことになっています。
この話を知ると、「えええ!、内の会社では、派遣に対して面接普通にしているよ」と、言われます。
たしかに努力義務規定なので、罰則はありません。
派遣会社は、面接ではなく、事務所見学と称して実質面接風になってるケースが横行してるようですね。
<事前面接ダメな理由>
労働者派遣は、職業紹介と違って「労働者」の採用ではなく、専門家のもつ「労働力」と言う商品のレンタルと言う、労働者派遣法の構造によります。
そのため、派遣終了後に派遣先で採用されることが予定されている「紹介予定派遣」では、商品のレンタルと言う要素が希薄となるので、特定行為の禁止規定は適用されません。
そもそも論からの順をおって説明されてます。
①例えば英語の通訳者を1週間必要となった
→英語力「専門性」を派遣元が保証してくれてれば業務に問題ない
②昔は、派遣は専門業務に限定されていた
→労働者供給として職安で禁止していた歴史があります
これはタコ部屋に収容されて、あちこちに派遣され強制労働させられ、ピンハネされる黒歴史があり、そのような行為を禁止しました。
【労働基準法5条】
強制労働の禁止の復習にもなりますね。
労基で一番重い罰則です。
【問3】
強制労働の禁止について罰則は答えられますか?
【答え3】
「1年以上10年以下の懲役又は20年以上300万円以下の罰金」で
【覚え方】
語呂合わせ※BY 佐藤塾 佐藤としみ先生
イチイチ ニイサンに強制される
イチ(1)イチ(10) ニイ(20)サン(30)に強制される
怖いお兄さんに、毎回毎回イチイチ強制されるシーンを思い描けば、記憶もばっちりですね。
派遣法の歴史に戻ります。
③日本の高度経済成長にあわせて、新技術などのエンジニアの派遣ニーズが高まります。
そこで1985年に一定の専門業務に関して、派遣が許可されます。
一部に限定したのは、正社員雇用が、皆派遣に切り替えられる事を心配してのことです。
また専門的な業務に従事するような場合は、かつてのような人権侵害のリスクが低いと考えられました。
④その後法改正が続き、1999年に大改正があり、『一部の例外』を除き、派遣がOKとなりました。もちろん事務職もOKです。
【問4】
派遣の例外業種は?
【答え4】
港湾運送事業、建設業務、警備業務、病院等における医療関連業務、弁護士や社会保険労務士等の「士」業務です
第2話はいかがでしょうか
さらっと読めるのに、かなり社労士試験としてはディープな内容を詳細に記載されてます。
それでは、次回は第3話以降をまとめます。乞うご期待くださいませ。