~法律系の試験対策~
法律系試験の初学者にとっての壁は法律用語、条文を読むのが辛い(読めても意味がわらかない)ことがあります。
条文を読む技術を身に付けるオススメ図書
条文にはルールがあり、基本構造を知るだけで読みやすくなります。
そこで、本日は法律を実際に作成される側の方が書いた解説本の紹介です。
書籍のタイトル
条文の読み方 第2版
主な内容
☆基礎知識編
体系的に条文の構成を解説
コラムがあるので、初学者でも楽しく読めます。
☆法令用語編
事例が豊富、テキストがわからない、定義があいまいな用語があったら、
辞書的に参照するにはピッタリです。
条文の基礎知識を身に付けたあとに、本格的な学習テキストを読みば、不思議なくらい読めるようになってるはずです。
目的条文の読み方
総則の一番最初の1条は、科目全体の内容を凝縮した目的条文からはじまります。
簡単に言えば、「この法律は、こんな手段で、こんなことを実現しよう」と掲げた文章です。
目的条文の正しい理解が、学習する科目の制覇になる鍵となります。
目的条文の基本構造
数行の目的条文の基本構造を知ることが重要です。
・手段 :法律でとられる措置などを明記
・目的 :「手段」で実現しようとする規定
・究極の目的:最終的に目指す世の中について記載
条文の読み方
ステップ1
長い条文はカッコを飛ばして読む
ステップ2
接続詞を起点に文章構造を整理する
1.「又は」「若しくは」
A.良い先生は、「読み」「書き」『又は』「そろばん」の教え方がよい先生を言う
B.良い先生は、「読み」『若しくは』「書き」『又は』「そろばん」の教え方がよい先生を言う
【質問】
AとBの文章の構造による意味の違いをわかりますか?
A
『又は』 →「読み」
→「書き」
→「そろばん」
※すべて並列関係となります
B
『又は』 → 『若しくは』→「読み」
→ 「書き」
↓
→ 「そろばん」
※ポイントは『又は』でグループ分けとなります
2.『及び』 と 『並びに』
A、B 、C 『及び』D
『及び』 →A
→B
→C
→D
※すべて並列関係となります
A 「及び」 B 『並びに』 C「及び」D
→ 「及び」 A OR B
↑
『並びに』
↓
→ 「及び」 C OR D
条文読み方演習編
練習問題
「又は」か「若しくは」を【空欄】にいれてください
電子クーポンで、消しゴム【 ① 】赤ペン【 ② 】青ペンが貰えます。
<答え>
【① 又は 】 【② 若しくは 】
ステップ3
対象者、手段、目的、究極の目的を整理
実践問題:健康保険の目的条文
健康保険法は、労働者又はその被扶養者の業務災害(労働者災害補償保険法第7条第1項第1号に規定する業務災害をいう)以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活と福祉の向上に寄与することを目的とする
◇ステップ1の実践
カッコを飛ばします
健康保険法は、労働者又はその被扶養者の業務災害 ( 削除 ) 以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活と福祉の向上に寄与することを目的とする
◇ステップ2の実践
『又は』『若しくは』をチェックして構造を把握する
健康保険法は、労働者『又』はその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷『若しく』は死亡『又は』出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活と福祉の向上に寄与することを目的とする
若しくはの方がつながりが強いので、下記のように分離できます。
→ 疾病 OR負傷OR死亡
↑
『若しくは』 →に対して保険給付
↓
→出産
☆構造分離からわかること
覚え方: (疾病 、負傷、死亡)と(出産) のグループで覚えます。
◇ステップ3の実践
○対象者 = 労働者 OR その被扶養者
の業務災害以外が対象
業務災害『以外』→私的な災害との意味になります(労災との区別)
☆要チェック☆
「被扶養者の」 を重視してはいけません!
被扶養者 を重視 してしまうと、労働者という言葉がおかしくなります。
それならば被保険者と言わなければならくなり意味が通じませんね。
中心者は労働者 であるためです。
なぜなら、健康保険法は大正11年に制定され、当時は 被扶養者と言う概念はなかったからです。
まずは、労働者を優先する意味があり、このような記載になっています。
=労働者保護から始まり、 次に被扶養者の保護が始まった制度の経緯が条文にあらわれてます。
◆豆知識◆
社会保険科目は、沿革が非常に多く出題されます
健康保険は日本で最初に作られた社会保険法です。大正11年に制定です。
☆語呂合わせ 一番なので「イチイチ」と覚える
全面施行は、昭和2年1月1日(5年間あいたのは、大正11年の翌年に関東大震災があったため)
いかがでしょうか?
法律の目的条文は凝縮して書かれていたことがわかると思います。
目的条文を精読できれば、その科目の制覇も早くなりますよ
急がば回れ、苦手な方は、まずは条文の構造理解からはじめてみてください
それではまたあした
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☆御礼☆
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