- カスタマーハラスメントは「他人事」ではない
- 「あっ、これがカスハラか」
- なぜ、こんな理不尽が起きるのか
- カスハラ対策が「努力義務」から「義務」へ
- 社員を守れる会社が、結果的に強い
- 社長へ ―「社員を守る覚悟」が問われる時代に
カスタマーハラスメントは「他人事」ではない
~ 電話相談員として、理不尽に怒鳴られて気づいたこと ~
先日、電話相談員として対応する機会がありました。
内容としては、決して難しいものではなく、制度に基づき、丁寧にお答えしただけでした。
ところが、突然、相手の声色が変わりました。
理由もはっきりしないまま、強い口調で責め立てられ、感情をぶつけられる!?
正直、面食らいました。
同じような説明を、これまで何度もしてきました。
顧問先や相談現場では、「助かりました」「ありがとうございます」と言われることはあっても、怒鳴られる経験など、ありません。
それだけに、釈然としない気持ちが強く残りました。
「あっ、これがカスハラか」
電話を切ったあと、ふと頭に浮かんだのが、この言葉でした。
あっ、これがカスタマーハラスメントなんだな。
理屈では知っていました。
社労士として、制度も、事例も、法改正の流れも理解しています。
けれど、実際に“される側”に立ったときの心理的ストレスは、まったく別物でした。
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こちらは冷静に対応しているのに、感情だけが一方的にぶつけられる
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何が地雷だったのか分からない
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顔も見えない、関係性もない
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それでも「仕事だから」と受け止めざるを得ない
この感覚は、体験してはじめて分かります。

なぜ、こんな理不尽が起きるのか
普段、私は顧問先対応が中心です。
信頼関係があり、互いに顔が見える関係性の中で仕事をしています。
だからこそ、今回の経験で強く感じたのは、
不特定多数 × 顔が見えない
この組み合わせが、理不尽さを増幅させる
という現実です。
相手は「会社」や「窓口」に向かって怒っているつもりでも、
実際に矢面に立っているのは、一人の人間です。
この構造を放置すると、どうなるか。
答えは明確です。
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心がすり減る
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対応を恐れる
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離職につながる
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現場が守りに入り、サービスの質が下がる
これは、個人の問題ではなく、経営リスクです。
カスハラ対策が「努力義務」から「義務」へ
こうした背景を受け、カスタマーハラスメント対策が法改正により義務化されます。
▶ 施行時期
2026年10月(予定)
▶ 根拠法
労働施策総合推進法(改正)
▶ 企業に求められること(概要)
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カスハラに対する基本方針の明確化・周知
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相談窓口や対応体制の整備
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被害を受けた社員への配慮・保護
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再発防止の仕組みづくり
ポイントは、
「起きてから対応する」ではなく、
“起きても社員を守れる仕組みを、あらかじめ用意しておく”ことです。
社員を守れる会社が、結果的に強い
今回、自分自身が体験して、はっきり分かりました。
カスハラ対策は、
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クレームを拒絶するためのものではありません
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お客様を敵に回すためのものでもありません
社員が安心して働ける土台をつくるためのものです。
そして、その土台がある会社ほど、
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現場は落ち着いて対応でき
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無用なエスカレーションが減り
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結果的に顧客満足も高まる
これは、きれいごとではなく、現実なのです。
社長へ ―「社員を守る覚悟」が問われる時代に
法改正は、単なるルール変更ではありません。
国からのメッセージです。
「社員を守ることは、経営の責任である」
今回の電話相談での体験を通じて、
私はあらためて、この法改正の必要性を実感しました。
理不尽は、ある日、突然やってきます。
そのとき、社員が一人で受け止める会社なのか。
会社として、きちんと“盾”になれるのか。
2026年10月は、
カスハラ対策を「本気で考える分岐点」です。
社労士として、「される側」を体験した当事者として、
このテーマを、これからも伝えていきたいと思います。
☆御礼☆
最後までお読み頂きありがとうございます。
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