24時間テレビとBCP?
中小企業のリスク対策は日常の「気づき」から始まる
SUPER EIGHTの横山裕さんが走り抜き、感動のゴールを迎えたシーンに、私自身も胸が熱くなりました。105キロという過酷な道のりを、仲間やファン、そして多くの人々の声援を力に変えて走り切る姿は、まさに勇気の象徴でした。しかし、今年の放送を見ていて、社会保険労務士、リスク対策の専門家としての職業病でしょうか、気になってしまったことがあります。それは、このチャリティーマラソンが、2025年6月から義務化された「熱中症対策」の法改正の対象になるか、どうかということです。
テレビ局が実践していた熱中症対策の舞台裏
実は、今年のチャリティーマラソンでは、ランナーだけでなく、併走するスタッフの方々の安全管理も徹底されていました。番組関係者によると、暑さ指数(WBGT)が28℃以上、または気温が31℃以上の環境下※となる場合にそなえて、厳格なチェックが行われていたそうです。※熱中症対策を実施する基準 今回のマラソンは「連続1時間以上または1日4時間を超える作業」に該当するため、基本的な条件としては法改正の対象となります。テレビ局はタレントが雇用契約者でなく、業務委託であったとしても、テレビ局、関係会社者のスタッフ(雇用契約)は、この作業に該当するため、入念な対策を講じていたのでしょう。
熱中症対策の義務化とは
厚生労働省によると、熱中症による死亡災害は2022年から3年連続で30人を超えており、これは労働災害による死亡者数全体の約4%を占める重大な問題となっています。
対策として2025年6月1日より改正労働安全衛生規則が施行され、条件を満たす作業を実施する事業者に対して熱中症対策が義務化されました。企業としては従業員の安全と健康を守り、法令を遵守するための具体的な対策が求められます。

引用:厚労省リーフレット
しかしいまだに、以下のような声をきくことがあります
「うちの内勤の会社には関係ない」
「外回りの社員なんていないし」等々
本当にそうでしょうか?たとえば、外回りの営業担当者や、現場作業員がいる会社はもちろん、社用車の洗車、近隣の清掃活動、取引先への訪問など、ほんの少しでも屋外で作業や活動を行う機会があるなら、この法改正は他人事ではありません。
熱中症対策はBCPの第一歩
この熱中症対策の義務化で求められるのは、対象となる業務に対し、もれなく対策を実施することです。具体的には、
- 見つける(リスクの特定):熱中症のリスクが潜む作業や環境を洗い出す
- 判断する(リスクの評価):そのリスクの大きさや緊急性を評価する
- 対処する(対策の実施):具体的な予防策や、万が一の際の対処法を決める
この3つのステップ、どこかで聞いたことがありませんか?
これは、まさにBCP(事業継続計画)の基本と同じなのです。
BCPというと、大規模な災害の対応で、大企業が取り組むべきものだと考えている中小企業の経営者や担当者の方も少なくありません。しかし、BCPの本質は、「事業を継続させるために、起こりうるあらゆるリスクに備えること」にあります。熱中症対策のような、日常に潜む小さなリスクを「見つけ」「判断し」「対処する」ことは、BCPの最も重要な基礎練習であり、実践そのものなのです。
中小企業こそBCPの習慣化を
熱中症リスクの特定であれば、「暑い日の屋外作業」という明確な基準があります。しかし、他のリスクではどうでしょうか?「取引先の倒産リスク」「情報漏洩リスク」「従業員の病気・休職リスク」など、事業を脅かすリスクは多岐にわたります。これらのリスクに対応するために、最も大切なのは「判断する」ための基準を明確にすることです。そして、その基準を社内で共有し、誰もが同じように行動できるようにしておくことです。熱中症対策を例にとれば、「気温が31℃を超えたら、1時間を超えるような屋外作業は原則中止や、1時間ごとに休憩を義務付ける」「WBGTが28℃を超えたら、休憩を20分ごとに取る」といった具体的な基準を設けることが重要です。これは、熱中症に限った話ではありません。リスク管理は「この場合、どうする?」という共通の判断基準を社内に浸透させることで、初めて機能します。今回の熱中症対策義務化を機に、ぜひ自社の日常業務に潜む小さなリスクに目を向け、BCPの第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
日常の小さなリスク対策の積み重ねこそが、企業を未来へとつなげる大きな力となります。皆さんの会社では、どのようなリスク対策を講じていますか?
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執筆:危機管理コンサルタント(社会保険労務士/防災士)
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