「昨日勉強した内容が思い出せない…」
その一方で、
朝見たニュース、野球の結果、芸能人の話題は、
なぜか自然に覚えている。
「覚えようと思っていないこと」は覚えていて、
「絶対覚えなければならないこと」は抜けていく。
受験生なら、一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
でも、これは単なる気合不足ではありません。
実は、脳の“正常な働き”でもあります。
脳は、「重要そう」「感情が動いた」「興味がある」と判断した情報を優先して記憶する性質があります。
脳科学では、出来事や感情、場面と結びついた記憶を「エピソード記憶」と呼びます。これは海馬という脳の部位が深く関わっていることがわかっています。
たとえば、
- 「昨日どこで、誰と、何を食べた」
- 「W杯で日本が勝った瞬間」
- 「大谷選手の劇的ホームラン」
こういう記憶は、
単なる情報ではなく、“情景”や“感情”とセットで保存されています。
だから思い出しやすい。
逆に、
「労基法○条」
「健康保険法の数字」
「労災保険率」
これを文字だけで丸暗記しようとすると、
脳にとっては“意味の薄い記号”になりやすい。
すると、短期記憶のまま流れていきます。
さらに不思議なのは、
昔見たドラマや映画。
内容を忘れていたはずなのに、
何気なく見返すと、
「次、このセリフ来るぞ」
「このあと、あの展開になる」
と、急によみがえることがあります。
これも脳科学的には説明されています。
記憶は単独で保存されるのではなく、
「その時の空気感」「流れ」「順番」「感情」とセットで保存されるため、
何かの“きっかけ(トリガー)”があると、一気に連想して引き出されるのです。
つまり脳は、
“点”ではなく、“物語”で記憶している。
これは受験勉強でも非常に重要です。
社労士試験でも、
ただ数字を暗記するだけでは、
本試験で飛びます。
語呂合わせも、
語呂だけを丸暗記すると危険です。
本試験で緊張すると、
「語呂は覚えてる…でも意味が出てこない」
「なんの数字だったっけ?」
となることがあります。
だから重要なのは、
「ストーリー化」
です。
たとえば、
労災保険の給付を覚えるなら、
仕事中に「ケガをした → 働けない →生活費が稼げない→ 休業補償で補填 → 最悪の場合は遺族補償」と、自分の人生の流れで覚える。
健康保険なら、自分が病気になって、会社を有給が使えずに休むときを想像する
「病気 → 病院 → 休職 → 傷病手当金」
と、“生活の場面”で覚える。
すると、
法律が「単語」ではなく「場面」になる。
脳は、場面や感情、順序を伴う情報を記憶しやすいと言われています。海馬は、出来事の順番や文脈の記憶にも関与しています。
さらに最近の研究では、
「感情」が動いた記憶は強化されやすいこともわかってきています。
楽しかったこと、
驚いたこと、
悔しかったこと。
こういう感情が入ると、
脳は「重要情報」と判断し、記憶を強めやすくなるそうです。
だから、
- 「へぇ!」
- 「なるほど!」
- 「実務でありそう!」
- 「ニュースで見た!」
こういう感情を乗せながら学ぶと、
記憶は定着しやすくなります。
受験勉強は、
「覚える戦い」に見えて、
実は、
“思い出せる形で保存する戦い”
なのかもしれません。
ただ読む。
ただ書く。
ただ語呂を覚える。
これだけでは弱い。
- 興味を持つ
- 実務と結びつける
- ストーリー化する
- 声に出す
- 人に説明する
- 感情を動かす
こうすると、
脳の中に“引き出し”が増えていきます。
そして本試験で、
問題文が“トリガー”になり、
「あ、これだ」
と記憶が蘇る。
それが、
合格者がよく言う、
「問題を見た瞬間、テキストのページが浮かんだ」
という状態なのかもしれません。
社労士試験は、
単純な暗記試験ではありません。
脳の特性を理解し、
“思い出せる学習”を積み重ねた人が強い。
今年の勉強は、
「ただ覚える」から、
「脳に残る覚え方」へ。
そこを意識すると、
記憶の質が変わってくるかもしれません。
☆御礼☆
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