国家資格をお金で買える時代? FP1級「学科免除制度」の是非を考える
今日は、ファイナンシャルプランナー資格にまつわる驚くべき新制度のお話です。 お金を払えば、超難関のFP1級学科試験が免除される――そんな制度が登場し、業界に波紋を広げています。
FP技能士とは? まず基本から
ファイナンシャルプランニング技能士(通称FP技能士)は、3級から1級まである国家資格です。 少し珍しいのが、試験実施団体が**「日本FP協会」と「きんざい(金融財政事情研究会)」の2つ**存在するという点。同じ国家資格でありながら、2つの団体が並立しているという、他にあまり例のない資格制度です。
今回問題の新制度を発表したのは、きんざいの方です。
新制度の内容
きんざいが打ち出した新制度の概要はこうです。
- 対象:法人(企業・団体)
- 費用:33万円
- 内容:約50時間の研修と修了試験を修了すると、FP1級の学科試験が免除
- 定員:300名限定
通常、FP1級の学科試験は400時間程度の学習が必要とされる難関です。それを50時間の研修で代替できるのか、というのが多くの人の疑問であり、SNSでも批判の声が相次いでいます。

SNSで噴出した批判の声
最も多い意見は、こうです。
「合格率約10%という難関資格を、お金を払えば誰でも取れるなら、FP1級の価値がなくなる」
ごもっともな意見だと思います。
ただ、きんざい側は「FP1級にふさわしいレベルの人材を育成し、学科免除の合格とするものであり、全員を免除させる研修ではない」と説明しています。
とはいえ、法人が33万円を支払って合格率10%では、さすがにクレームものでしょう。実態としては、真剣に研修を受けた受講者の6〜8割程度は合格できる水準に設計されるのではないか、と私は推測しています。
今回のFP1級の新制度は問題は、以下のように整理できます。
① 批判の論点
- 「お金で資格が買える印象」
- 「既存合格者との公平性」
- 「試験制度の権威低下」
② 制度側の論理
- 実務的な人材育成
- 多様なルートの確保
- 一定水準の担保が前提
社労士の私がFP2級を取った理由
私は社会保険労務士として、確定拠出年金の資産運用セミナーや、お金まわりの講演を行う機会が多くあります。その際、知識の証明として、FP2級を受験し、最短5日間の学習で合格することができました。
2級とはいえ難しい資格であり、感覚的には英検2級・漢字検定2級程度の難易度。ちなみに、私の自身の知識量では英検2級・漢字検定2級は、難しすぎて受かる気がしないと思う難易度。自分の専門性を客観的に示せる資格として、取得する意義は十分あると感じています。
だからこそ、FP1級にも魅力を感じていました。しかし「お金で買った」と思われるなら、少し複雑な気持ちになったのも正直なところです。
でも、冷静に考えると……
実は、試験免除制度は他の資格にも多数存在しています。
▶ 国内旅行業務取扱管理者試験 5年以内に3年以上の実務経験がある人が、全国旅行業協会(ANTA)の研修を修了すると「国内旅行実務」科目が免除されます。
▶ 社会保険労務士(まさに私の資格) 試験合格後、通常は2年以上の実務経験がなければ登録できません。しかし「事務指定講習」(約8万円)を修了すれば、実務経験なしで登録が可能です。通信添削と4日間の面接講習が、2年間の実務に相当するとされています。
正直に言うと……実際に受講した経験から、「2年の実務と同等か」と問われれば、首を縦には振りにくいのが実情です。
きんざいのビジネス的側面
もう一つ、見逃せない視点があります。
300名限定 × 33万円 = 約1億円の売上
きんざいとしては、非常においしいビジネスモデルです。難関資格の「試験免除」という希少価値を商品化し、確実に収益を上げられる仕組み。それが、この制度の狙いなのかもしれません。
結論:不満はあれど、「新しい道」として受け入れる
私の結論はこうです。
FP1級の免除制度は、感情的には「納得したくない」部分もあります。しかし客観的に見れば、他の資格制度にも広く存在する免除・特例の仕組みと本質的には変わらない。
そして現実的な話をすれば――
「お金で買った」「免除で取った」という資格の実態を把握しているのは、資格マニアくらいのものです。
一般的なビジネスの場では、FP1級のブランド価値は依然として高いままになると思います。名刺や講演プロフィールに記載するなら、33万円でそのブランドが手に入るなら、コストパフォーマンスとして悪くないという考え方もできます。
要は、資格をどう使うか、自分の目的に合っているかで判断するしかない。新しい資格取得の選択肢が増えた、と割り切って考えるのが建設的ではないでしょうか。
☆御礼☆
最後までお読み頂きありがとうございます。
下記のアイコンをクリックすると、他の素晴らしい社労士や資格関連のブログの一覧が表示されます。 参考になりますので、ぜひ閲覧してみてください。
【お願い】 この記事も参考になったらアイコンクリックお願いします。
👇️





