- 神社の祭儀「福男選び」は男女平等に反するのか
- ① 事実関係の整理:西宮神社は“女性参加不可”ではない
- ② ジェンダー配慮=すべて名称変更、ではない
- ③ 社労士の視点:労働法でも「例外」は認められている
- ④ 福男選びの本質は「競争」ではない
- ⑤ 制度として平等か、文化として尊重されるべきか
- おわりに:法と文化のあいだで考える
神社の祭儀「福男選び」は男女平等に反するのか
――ジェンダー論と日本文化を社労士の視点で考える――
毎年ニュースで話題になる、西宮神社の「開門神事 福男選び」。
スタートの合図とともに境内を駆け抜け、一刻も早くえびす様に参拝しようとする人々の姿は、もはや正月の風物詩です。
一方で近年、こんな声も聞かれます。
「福“男”という呼び方は、男女平等に反するのではないか?」
「現代のジェンダーの流れに合っていないのでは?」
社労士として、この論点を整理してみたいと思います。
① 事実関係の整理:西宮神社は“女性参加不可”ではない
まず前提として、西宮神社の福男選びは、女性参加を禁止していません。
-
女性も参加可能
-
女性が3位以内で本殿に到達すれば「福女」と呼ばれる
-
制度上は男女平等
現実として「福女」が誕生していないのは、
・深夜〜早朝
・混雑
・転倒や接触のリスクが高い
という極めて過酷な環境が理由です。
実際、過去には「福女候補」が転倒した事例もあります。
スポーツであれば、女性専用の会を設定するのでしょうが、競争ではなく神事なので、それもおかしいかと思います。
② ジェンダー配慮=すべて名称変更、ではない
現代社会では、
-
スチュワーデス → キャビンアテンダント
-
保母さん → 保育士
など、性別を意識しない名称への変更が進んできました。
これは、職業が「労働市場」に属し、雇用機会均等が強く求められる領域だからです。
一方で、福男選びはどうでしょうか。
-
雇用ではない
-
労働でもない
-
報酬もない
-
競技スポーツでもない
あくまで 神事・祭典 です。
すべてを「現代基準」で一律に再定義することが、本当に多様性なのでしょうか。

③ 社労士の視点:労働法でも「例外」は認められている
実は、労働基準法・男女雇用機会均等法においても、
性別限定が「例外的に」認められている職種があります。
【参考】男女雇用機会均等法 第5条
募集・採用における性別差別を原則禁止しています。
指針(平成18年厚生労働省告示第614号)で、
職務の性質上、特定の性別でなければならない場合(真正職務資格)
宗教上の儀式等を行うために、特定の性別が必要な場合。と例外的取扱いが認められます。
その代表例が
巫女さん(みこ)
これは差別ではなく、
-
宗教的儀式
-
文化・伝統
という理由から、合理性がある限定と整理されています。
つまり、日本の法制度そのものが、
「すべてを男女同一にすることが平等ではない」
という考え方を内包していると考えられます。
④ 福男選びの本質は「競争」ではない
ここで、最も重要な点を確認したいと思います。
福男選びは、
一位を取る競争ではありません。
本来の意味は、
-
一刻も早くえびす様にお参りしたい
-
神様に「会いたい」という純粋な思い
-
福を一身に受け、それを周囲に分け与える存在になる
という信仰行為そのものです。
スポーツでも、優劣を競う大会でもない。
「速さ」や「順位」は、結果として可視化されているに過ぎません。
⑤ 制度として平等か、文化として尊重されるべきか
社労士としての結論は、こうです。
-
制度としての参加機会は平等
-
危険性を踏まえた参加判断は自己責任
-
名称変更を強制する合理的根拠は乏しい
そして何より、
多様性とは、違いを消すことではなく、違いを尊重すること
歴史ある祭儀の名称や意味を、
現代の価値観だけで一律に塗り替えることが、
本当に「包摂」なのかは、慎重に考える必要があります。
おわりに:法と文化のあいだで考える
労務の世界では、
「平等」と「合理的区別」の線引きが、常に問われます。
福男選びも同じです。
これは労働問題ではなく、文化と信仰の問題。
だからこそ、
感情論ではなく、
制度・歴史・役割を踏まえて考える視点が求められているのではないでしょうか。
あなたは、どうお考えになりますか?
「神様に一刻も早く会いたい」
その熱い思いこそが、福男選びの原点なのかもしれません。
☆御礼☆
最後までお読み頂きありがとうございます。
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