今日は世間で話題になった採用に関するルール(国籍、性別)についてまとめます。
採用に関するルールを問題演習を通じて学びます
ニュースによると、某飲食チェーン店は国籍を理由に学生を採用の説明会から排除してました。
【演習問題1】
国籍を理由に就職説明会を拒否して良いか?
【答え】
ダメなのは、社労士受験生でなくても、一般の方でもわかますね。
これは時事問題と言う話題レベルでなく、本当にこまった問題でした。
【演習問題2】
国籍による排除が、なぜいけないのか?理由を説明してください
【答え】
ここで労働基準法第3条が理由だから👇
第三条 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。 第四条 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。
この解答はどうでしょうか?
ネットに某先生達のコメントでも、この解説が多く記載されてました!
ならば多数派だから正解でしょうか?
労働基準法第3条は、採用後からに適用される。
これ受験生なら必須の論点ですね。
よって、労基法3条では、採用における国籍は問題になりません。
では追加の演習です。
【問題】採用前は労基法3条が関係ないと判断された判例で有名なのは?
👇
三菱樹脂事件 最大判昭48.12.12
事件のあらまし
大学卒業者の採用試験に合格して、当初の3ヶ月は試用期間として会社に採用
試用期間中に、採用試験の際に学生運動に参加していたにもかかわらず虚偽の回答をしていたことが発覚したため、会社は本採用を拒否して解雇しました。解雇の無効を求めて提起
判決の概要
会社は、経済活動の一環として契約の自由があり、どの者を雇入れるか、どのような条件で雇入れるかについて、法律その他による特別な制限がない限り、原則として自由に決定できる。
そのため、会社が、特定の思想、信条を理由として雇入れを拒んでも、それを当然に違法とすることはできない。
頻出判例 過去14年分はこちら👇
【問題】ならば採用時点ならば国籍で差別をして良いのか?
正しい答えは、同じ3条でも法律が違います。
職業安定法第3条
第三条 何人も、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、従前の職業、労働組合の組合員であること等を理由として、職業紹介、職業指導等について、差別的取扱を受けることがない。 但し、労働組合法の規定によつて、雇用主と労働組合との間に締結された労働協約に別段の定のある場合は、この限りでない。
採用に関する差別は、職業安定法第3条により禁止されてます。
よって問題の答えは
理由は職業安定法第3条により禁止が正解ですね
過去問に挑戦
平成21年 労働基準法 問1 肢B
難易度:易
労働基準法第3条が禁止する労働条件についての差別的取扱いには、雇入れにおける差別も含まれるとするのが最高裁判所の判例である。
【答え】×
平成19年 労働基準法 問1 肢E
難易度:易
均等待遇を定めた労働基準法第3条では、労働者の国籍、信条、性別又は社会的身分を理由として賃金、労働時間その他の労働条件について差別的取扱いをすることは禁止されている。
【答え】×
「性別」は含まれません。
平成23年 労働基準法 問1 肢A
難易度:易
労働基準法第3条は、法の下の平等を定めた日本国憲法第14条と同じ事由で、人種、信条、性別、社会的身分又は門地を理由とした労働条件の差別的取扱を禁止している。
憲法14条 人種、信条、性別、社会的身分又は門地
労働基準法3条 国籍、信条又は社会的身分
【答え】×
本問題は、見慣れない憲法まで記載されているので、一見難しく見えますが、
ワンパターンな×問で、性別が含まれているので、即座に×と判定できます。
もし、性別が削除されていて、〇問だったら、正解する難易度は高くなる問題です。
※答えを覚えてしまうような過去問演習をしていると、
〇問に改定されたら正解ができなくなります。
下記の制限列挙おさえておけば万全です。
<参考>制限列挙まとめ
労基法 第3条 均等待遇でおさえる論点は 3つ
国籍、信条又は 社会的身分
この論点限定なので、制限列挙といいます。
論点3つおさせておけば、それ以外が追加されてたら即座に×と判断できます
(論点が足らなくても、すぐに正誤判定が可能)
主な制限列挙と覚える論点の個数のまとめは👇
【追加演習】
労働基準法第3条には、性別が含まれてません。
ならば、男女差別はしてよいのか?
👇(性別の記載がない)
第三条 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。 第四条 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。
【答え】労基法では禁止条文はなく、男女雇用機会均等法に規定があります。
それでは今日はここまで
またあしたよろしくお願いします。
☆御礼☆
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